安心感や安全性を高めるには、脳と遺伝子の両方を活性化させる方法を考えることが重要です。こうした活性化を促し、ひいては幸福感や安全性の向上につながる環境づくりは、日々の生活習慣を最適化することから始まります。改善すべき主なポイントは、食事、睡眠、そして筋力トレーニングです。脳は最も多くのエネルギーを消費する臓器です。添加物、保存料、人工着色料、トランス脂肪酸を多く含む加工食品の摂取は最小限に抑えるべきです。十分なエネルギーを確保するためには、脂質、タンパク質、炭水化物をバランスよく摂取することを目指しましょう。理想的には、オメガ3脂肪酸が豊富な脂の乗った魚、トマトやブロッコリーなどの野菜、ビタミン豊富な果物、ミネラル、発酵食品(腸内環境を整え免疫力を高める)、そばや玄米などの炭水化物、ナッツ類、赤身肉などを組み合わせて摂取するのが良いでしょう。さらに、筋力トレーニングは、摂取した食物をエネルギーに変える助けとなります。健康的な食事と筋力トレーニングを組み合わせることで、集中力や免疫力が向上し、体内の炎症が抑えられ、結果として精神的なストレスも軽減されます。

脳の機能を最適に保つには、少なくとも7時間の睡眠が必要です。睡眠中、脳内のグリア細胞は重要なメンテナンス作業を行います。睡眠不足はこのメンテナンスのプロセスを妨げ、短期記憶の機能を低下させ、記憶力全体に悪影響を及ぼします。脳のパフォーマンスは、食事から得られるエネルギーと睡眠による回復効果によって高まります。また、食事や筋力は細胞の活動に影響を与え、ひいては細胞内の遺伝子にも影響を及ぼすことが知られています。食事の質を向上させ、筋力トレーニングを行うことは、身体の反応性を高めます。健康と安全のためには、ある程度のストレスが不可欠です。恐怖心を引き起こすような適度なストレスは、脳内の神経細胞を活性化させます。生きる喜びに伴うストレスは、新しい神経細胞の生成を促すことが示されています。適度なストレスは、モチベーションを高めることにもつながります。こうした活動に取り組むことは、生活環境を活性化させ、深い感動を伴う「畏敬の念」を育みます。このプロセスには、DNAの活動をオンまたはオフに切り替える「タグ」の付加が関わっています。こうした畏敬の念を抱かせる瞬間を繰り返し体験することは、DNAの状態を変化させるエピジェネティックな変容を促し、心身を「安全と安心」の状態へと導くきっかけとなります。ブログ記事17でも触れたように、ここで言う「非日常的な体験」には、人間の精神の美しさ、自然の驚異、音楽や芸術がもたらす感動、生命の神秘、そして生と死に関する気づきなどが含まれます。こうした体験を通じて心身は浄化され、不安が和らぐとともに幸福への希求が高まり、ストレスが軽減されて、イノベーションに必要な条件が整えられていきます。