Blog 004. 土壌環境より地球の安心を考える

安心を考える為に、人が住んでいる地球に注目しました。1話では地球にそのものに注目し、2話では大気で生きているアリとハチに注目しました。3話では海で生きているタコやイルカ、クジラについて注目しましたが、次は土に生きる生物に注目します。土は砂と水を含んだ落葉を微生物が分解し生成された物質より成り立っています。微生物は水を得て植物の腐りかけた物質を分解促進し熱を発し発酵を促進しながら植物を分解します。ミミズは土壌の砂を飲み込みミミズ体内で浄化され、綺麗な状態に変わります。モグラは土の中で生きているミミズを探し出し食べます。

土壌内にもバクテリアを含む様々な菌が生息し繁殖を繰り返しながら土に影響を与えてます。菌の一種で有る菌根菌も土の中で生きており、広大な土地に菌糸を張り巡らしています。菌根菌は木などの根の中に入り込み木より光合成で生成した糖を貰い、代わりに菌根菌が土壌より採取したリンなどを木に提供します。これにより樹木は活力を得る事が出来ます。土壌内で見る事が難しい菌糸ですが、土の表面や木の表皮に付着するキノコ(菌糸が繁殖する為の生殖体がキノコ)として確認する事が出来ます。菌糸は森を構成する木々と菌糸を通じて繋がっており、菌糸のネットワークを通じて遠く離れた森の状態を伝える役目も担っていることが判っています。天然の森の地球には、広大な範囲で菌糸ネット―ワークが成立しているケースも確認されています。このように菌糸は、森全体の健康状態を樹木に伝達する役目を担っているのです。定期的に人の手で植樹により生成された森は、菌糸ネットワークが成長できません。また植樹による重機の利用により土が踏み固まれ、土壌で生きるミミズやモグラも住みにくい状態になってしまいます。ミミズやモグラは、土のトンネルを作り、空気の通すと同時に植物の根が成長しやすい柔らかい土壌に変化させながら、雨をトンネルに蓄える機能も作くり出しています。土の中に生息する生き物は、植物の成長を助けます。樹木により炭素を酸素に変換し大気は循環します。また土で育つ植物を動物や人が食物として摂取することで生物は恩恵を被っています。土の環境を知り、考える事が安心につながります。

◎おすすめする「菌類」の本です。(図書はAmazonより購入できます。)

ねん菌(へんけい菌) (菌の絵本) 

我々の周りに存在する様々な菌の機能を分かりやすく説明した絵本です。著者:川上新一 (監修), 新井文彦 (写真), 加藤休ミ (イラスト)、出版: 農山漁村文化協会

菌根の世界: 菌と植物のきってもきれない関係

菌根菌の働きを分かりやすくスタディーすることができます。著者:齋藤 雅典、出版:築地書館

マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険

地中に存在する菌糸により樹木同士がコミュニケーションしていることを知ることができます。著者:スザンヌ・シマード、出版社:ダイヤモンド社
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