Blog 002. 安心を考える為にハチとアリをスタディーする。

安全は主に体を守る事、安心は心や精神を安らかに保つことが目的です。日本語の安心という言葉は、海外で適切な単語が見つかりません。”安心 Anshinは、SecurityではなくPeace of mindが合致すると思われます。” 我々が考える安心な社会の構築は、人が生きる地球環境を含めて考える必要があります。その地球には、様々な生命が存在し、菌やバクテリア、植物、昆虫、動物を含め食物連鎖により地球環境が成り立っています。また我々人類の元である猿人が誕生したのは300万年前です。ハチとアリは人類よりはるか前に誕生しています。ハチが1.5~2億年前に誕生し、アリは1.5億年前に誕生したと考えられています。したがって人類より前に誕生したハチとアリの行動様式と感覚について少しスタディーします。ハチとアリは集団で生活する社会性の高い生物です。アリはハチ目アリ科で同じハチ目に分類されます。アリとハチのコミュニケーション手段や、文化や生活様式はそれぞれ異なるようです。ただ集団で生活し自主的に生まれる行動パターンは、非常に似た点が有ります。またどちらも大きな触覚を頭部に備えています。ハチ感覚器は眼5つ(うち3つは頭上部に備え、太陽の方角を把握する)、振動を感じる聴覚、味覚と嗅覚、その他に電化や磁界を感知する感覚器も備えています。

ハチやアリの視覚は、赤が見えず代わりに紫外線領域をとらえる事ができ、人と大きく見え方が異なります。視力は近傍しか確認できないと言われています。目により細部を確認するというよりは、ボケた画像により大枠で輪郭を抑え物体を把握し、ボケた画像で脳の負荷を減らすと考えられます。人より少ない脳のニューロンで効率的に処理すると考えられています。ハチやアリは大きな触覚と嗅覚(分泌する化学物質によりコミュニケーションを取っていると考えられます)が優れ、生き抜くうえで栄養源を探しだす為に特化した感覚器を備えていると考えられます。ハチやアリの感覚は、人とは異なる形で捉えられます。これは生きる事を優先にした生物戦略ともいえます。ハチやアリの行動は、長年の経験と叡知の蓄積(DNAへの蓄積)により生き抜く知能を有しています。これらを含めた地球上のあらゆる得意な生物の行動と社会性をスタディーすることは、安心を考えるうえで重要な要素と考えています。

おすすめする「ハチとアリ」の本です。(図書はAmazonより購入できます。)

1.ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識

「ハチが持つの感覚の特徴とハチの高度な知能が学べます。」著者:ラース・チットカ、出版社:みすず書房
本の重要ポイントに付箋を張り付けています。付箋の量により本を評価しています。

2.蜂の奇妙な生物学 (生物ミステリー) 

「ハチの種別ごとの特徴と特性が学べます。」著者:光畑 雅宏、出版社:技術評論社
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3.蜂と蟻に刺されてみた―「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ

「フェロモン分泌によるコミュニケーションを知ることができます。アリの個別の特性を掲載した貴重な本です。」著者:ジャスティン・O・シュミット、出版社:白揚社

4.社会はどう進化するのか——進化生物学が拓く新しい世界観

「社会発展を推進するうえで協調と共生面で参考になります。」著者:デイヴィッド・スローン・ウィルソン、出版社:亜紀書房
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